アイ・ワナ・ネバー・ビー・ウィズ・ユー
抱きしめられると、昔と比べると、ずいぶん差がついてしまったものだなと思い知らされた。
身長も体格も、ほんの数年でこんなに違うものかと。
それでも、数ヶ月ぶりの笑顔はまるで変わらなくて、そのことがひどく嬉しかった。
「我愛羅」
名前を呼ぶ声は少しかすれて低い。包まれる高めの体温に、安心感が身体中を満たして、このまま眠ってしまいたくなる。温かい肩に額を預けた。
「ん?どうしたんだってばよ?。」
あまえてる?と、小さく笑うような気配がして、大きな手が、オレを安心させるように背を撫でる。柄にも無く涙が出そうになった。
長いこと一人きりだった。一人でなくなることがあるなんて思ったことも無かった。本当に一人きりになってしまいたいと願い続けた。そうすれば誰にも傷つけられることが無くなると頑なに信じていた。あの日、お前を知るまで。
お前がいるから、あの日からまっすぐ立っていられるんだ。
お前がいるから、この世界を信じられる。此処に存在していられる。
こんなことを口に出して言えるはずもないけれど。
会うたびにいつも思う。
少しだけ苦笑がこぼれた。本当にお前には助けられてばかりだ。
「なんでもない。」
「えー?」
身体をのばして、唐突に鼻先にキスをしてやる。びっくりしている顔に今度は唇に。
「愛している。」
びっくりしていた青い目がオレを見て、くしゃりと笑う。オレが一番好きな表情になる。
「オレもだってば。」
その声に言いようの無い想いが体中を満たして、抱きしめられたまま目を閉じた。
両腕を、ナルトの背に回す。きつく抱きしめる。
ずっと、その傍らに在れるようにと心から願った。
お互いにはお互いの立場があって、なかなか会うことは叶わなくても。
心はいつもお前の側に在ることを。叶うなら呼吸が止まるその時まで。
願わくばずっと。
fin