LOVEME

 

 

愛してるって思う。

愛して欲しいって思う。

お前の顔を見るたび思う。

こんな風に思うようになって、けっこうたった。

どうしてかな、何がきっかけ?聞かれても理由なんて見えないけど。そんなもん、いらない。ていうか、解るほうがどうかしてると思う。

なあ、お前はどう思ってる?

言葉にすると薄っぺらになってしまうようで、まだ、ちゃんと伝えられないけどさあ。

側にいてもいいよな?

何にもいわないで、側にいさせてくれるってことは、そういうことだって思っていいよな?

ずっとなんて、永遠なんて、無いってこと、ちゃんと解ってるけど。

そんなこと、どうでも良い。

今、一緒にいられればいい。少しでも長く、一緒にいたい。

そんなこと思うから、なかなか勇気がだせねえわけだけど(苦笑)。

普通に眠ってる顔みたことあるの、きっとオレだけ。

他の誰の気配でも、すぐ飛び起きるお前が、オレがいても眠ったまんま。

だってそれって、そういうことだろ?

なあ。すきだよ。あいしてる。

お前の持ってる傷も全部。

やさしさもキビシさも弱いところも強いところも、ホントに全部。

そろそろ、言ってもいいのかなあ。

一緒に並んで歩きたいって。

一番近い場所にいたいんだって。

オレのこと、特別にしてほしいって。

まだ、お前が寝てるときにしか言えねえけどさあ。

あと少し、きっとあと少し。遠くない未来きっと、ちゃんと言うから。

だから、今は眠れない夜にだけ、睡眠学習よろしく、こんな風に囁いちゃったり。

ちょっと、どうよって自分でも思うけど、しかたないだろ。

わかったら、もう止まんねえの。

柔らかい髪を触る。少し身じろぎするのにちょっと笑う。

穏やかな寝息に安堵する。

「なあ、すき、だよ」

全部、何もかも、全部。だから…。

「オレのこと、好きになって…」

あいしてほしい。

暗い部屋の中、やせぎすの細い腕に縋りながら、心からそう思った。

 

               Fin